大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(オ)209 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人佐々木良一、同坂野英雄の上告理由について。

上告人主張にかかる法律行為の要素に錯誤ありとの抗弁はその前提として本件家

屋の売買契約締結に際し上告人は期限の定のない買戻の特約をなし、しかもそれを

右売買契約締結の必須の要件とする意思を有していたとの事実を主張するものであ

る。しかるに、原判決は『本件売買成立後控訴人(上告人)は妻からこれに反対せ

られたので困却し、被控訴人(被上告人)との間に若し将来被控訴人が本件建物を

不要とし、他に売却せんとするときは、一応まず控訴人に買戻の交渉をなし、控訴

人が買受けざるとき始めて、他へ売却し得べき趣旨の契約が成立した」に過ぎない

ものであるとの事実を確定しているのである。すなわち原判決は本件売買成立後に

おける右の事実を認定していることによつて、売買契約締結当時における事情に外

ならない前示の抗弁事実の如きは当然にこれを否定したものといい得るのである。

されば原審が所論の如く判示して本件における上告人の右主張を排斥したからとい

つて原判決に所論の違法ありということはできない。論旨は理由なきものである。

よつて民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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